大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

仙台高等裁判所 昭和27年(う)552号 判決

憲法のいわゆる集会、結社表現の自由といい、また勤労者の団結権といい、基本的人権の一つとして保障されているものであるから憲法が国民に保障する基本的人権を濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のために、これを利用する責任を負うのであるそれ故憲法の下における叙上の自由といえども国民の無制的な恣意のままに許されるものではなく、常に公共の福祉によつて調整されなければならぬのである。従つて国民が政府の政策を批判しその失政を攻撃することは、その方法が公安を害せざる限り言論その他一切の表現の自由に属するのであろう。しかしながら地方公共団体の行政の民主的且つ能率的な運営を保障し、所期の目的の遂行を期するために制定した地方公務員法による地方公務員に対し、地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業行為をそそのかし、若しくはあおるが如きに国民として負担する法律上の重要な義務の不履行を慫慂し、公共の福祉を害するものである。さればかかる所為は憲法の保障する言論その他一切の表現の自由の限界を逸脱し、社会生活において道義的に責むべきものであるから、これを犯罪として処罰する法規は憲法に違反するものではない。

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